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日経平均株価、TOPIXの違いを比較【インデックス投資の勉強】

日経平均株価、TOPIXの違いを比較【インデックス投資の勉強】

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モチタケ

・資産5000万円ほどを運用する個人投資家
・趣味の個人事業で月収7桁達成
・平日は東証一部上場企業本社のファイナンス担当(転職4社目)
・投資、副業、転職などのノウハウを配信
・東京都在住、ネコが好き

【保有資格】
・日商簿記1級
・税理士試験(財務諸表論、法人税法)
・CFP(ファイナンシャルプランナー)
・TOEIC900 など

今回は「日経平均株価、TOPIXの違いを比較【インデックス投資の勉強】」ということで、インデックス投資による資産運用をする方であらば必ず知っておきたい日経平均株価、TOPIXの違いについて学んでいきましょう。

 

日経平均株価とTOPIXは日本の株価動向を表す指標として、また日本経済の動向を示す指標としてニュースでも頻繁に報道されるほか、政府の経済政策の検討材料としても用いられています。

 

個人投資家にとっても株価動向を知る材料としてはもちろん、日経平均株価とTOPIXは多くのインデックス投資商品にベンチマークとして使われているので、日経平均株価とTOPIXの違いや特徴について理解しておきましょう。

 

 

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日経平均株価、TOPIXの違いを比較【インデックス投資の勉強】

日経平均株価、TOPIXとは

<日経平均とは>

日経平均株価(日経225)は、東証一部上場銘柄の中から流動性が高い225銘柄を日本経済新聞社が選定して算出する株価指数です。景気の動向を表す経済指標としても見られていて、ニュースではTOPIXよりも日経平均株価の方がよく報道されています。トヨタ自動車やソフトバンクなど、日本を代表する企業群の株価の動向を表す株価指数です。

 

 

<TOPIX(東証株価指数)とは>

TOPIX(Tokyo stock price index:東証株価指数)は、東証一部上場企業全銘柄で構成されるインデックスで、構成銘柄数は約2,200社です。日経平均よりも多くの銘柄で構成されるため、日本経済の実態を反映しやすい指標です。

 

 

<日本株のインデックスの比較(日経平均株価、TOPIX)>

日経平均株価TOPIX
概要東証一部上場銘柄のうち代表的な225銘柄で構成される株価指数東証一部上場全銘柄で構成される株価指数
組入銘柄数225銘柄約2,200銘柄
指数の組入基準東証一部上場企業から選定東証一部上場全銘柄
銘柄組入基準東証一部上場企業の代表的な企業を以下のポイント等を考慮して決定

  • 流動性が高いこと
  • セクター間のバランスを考慮
  • 臨時の入替では企業の実態を考慮
【東証一部上場基準】

  • 株主数800人以上
  • 時価総額250億円以上
  • 流通株式時価総額100億円以上
  • 最近2年間における利益の総額が25億円以上、又は、最近1年間の売上高が100億円以上 かつ 時価総額が1,000億円以上

【東証一部上場廃止基準】

  • 株主数400人未満(猶予期間1年)
  • 時価総額10億円未満(猶予期間9か月)
  • 流通株式時価総額5億円未満(猶予期間1年)
  • 債務超過(猶予期間1年)
計算方法株価加重指数時価総額加重平均(浮動株数基準)
特徴株価が高い銘柄の影響を受けやすい時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい
組入上位①ファーストリテイリング(10.9%)トヨタ自動車(3.1%)
組入上位②ソフトバンクグループ(6.9%)ソフトバンクグループ(3.0%)
組入上位③東京エレクトロン(5.7%)ソニーグループ(2.7%)

 

 

日経平均株価とTOPIXはどちらも日本を代表ような大企業で構成される株価指数ですが、銘柄の選定基準やインデックスの計算方法などに大きな違いがあります。

 

日本株のインデックス投資ではほとんどの商品が日経平均株価かTOPIXをベンチマークに採用していますので、それぞれのインデックスの中身については十分に理解しておきましょう。

 

 

日経平均株価とTOPIXの違い①構成銘柄、選定基準

まずは日経平均株価とTOPIXの構成銘柄の違いから。

 

<日経平均株価とTOPIXの構成銘柄>

日経平均株価TOPIX
銘柄数225銘柄約2200銘柄
選定基準東証一部上場銘柄の中から流動性の高い(売買が活発な)225社を選定東証一部上場の全銘柄
計算方法単純株価平均時価総額加重平均

 

日経平均株価に採用される225銘柄は、東証一部上場企業の中から特に流動性の高い銘柄(売買高が大きい銘柄)を日本経済新聞社が選定して採用し、経済情勢の変化に応じて随時見直しが行われています。

 

見直しが行われる際に、日本経済新聞社では業種(セクター)の偏りがでないように考慮をして採用銘柄を決めています

 

採用銘柄の入れ替えは、例年10月に定期見直しが行われるほか、上場廃止や経営破綻などが起きた場合には、臨時的に代替の銘柄が採用されることもあります。

 

以下はここ最近の日経平均株価の銘柄入替履歴ですが、年に数社ずつ入れ替えが行われていて、株価指数の中身の新陳代謝が行われていることが分かると思います。

 

<日経平均株価の最近の銘柄入替>

除外銘柄採用銘柄
2015年日東紡長谷工コーポレーション
2015年平和不動産ディー・エヌ・エー
2016年日本曹達楽天
2016年シャープヤマハ発動機
2017年北越紀州製紙リクルートHD
2017年明電舎日本郵政
2017年東芝セイコーエプソン
2017年ミツミ電機大塚HD
2018年古川機械金属サイバーエージェント
2018年日新製鋼DIC
2019年千代田化工建設バンダイナムコHD
2019年昭和シェル石油出光興産
2019年パイオニアオムロン
2020年NTTドコモシャープ
2020年ファミリーマートネクソン
2020年日本化薬ソフトバンク
2020年東京ドームエムスリー
2020年ソニーFH日本取引所グループ

 

 

一方、TOPIXは東証一部上場の全銘柄で構成される指数のため、東証一部上場基準=TOPIX採用基準となっています。

 

東証一部への新規上場基準、上場廃止基準は細かく見ていくと項目が多すぎるので、ここでは主要な基準だけ見てみましょう。

 

<東証一部上場基準、上場廃止基準(一部抜粋)>

東証一部上場基準東証一部上場廃止基準
株主数800人以上400人未満(猶予期間1年)
時価総額250億円以上10億円未満(猶予期間9か月)
流通株式時価総額100億円以上5億円未満(猶予期間1年)
純資産の額連結純資産の額が50億円以上連結財務諸表において債務超過(猶予期間1年)
業績最近2年間における利益の総額が25億円以上
又は、最近1年間の売上高が100億円以上 かつ 時価総額が1,000億円以上
売買高最近1年間の月平均売買高が10単位未満
又は、3か月間売買不成立

 

 

東証一部に上場する際には、株主数や時価総額、業績など様々な要件が定められていて、それをクリアしないと東証一部に上場する(=TOPIXに採用される)ことはできません。

 

ここで注目したいのは東証一部に上場するときにはある程度厳しい条件が設定されているのに比べて、東証一部から廃止されるときの条件は非常に緩やかになっている点です。

 

例えば、時価総額は東証一部上場時に250億円以上が必要ですが、上場廃止になる条件は10億円未満と非常に緩い条件になっています。

 

また、業績については東証一部上場時には最近2年間における利益の総額が25億円以上などの要件がありますが、上場廃止基準には業績についての条件を定めて項目はありません。

 

このように東証一部は、上場するのは大変なものの一度上場してしまえばめったに上場廃止にならない市場になっています。入学しさえすればほぼ卒業できる日本の大学みたいなシステムですね(笑)

 

その結果、東証一部には旬を過ぎて成長力を失った銘柄や、利益が稼げなくなってのらりくらりと事業を続ける企業がいつまでも居座り続けることができてしまい、投資の指標としてのTOPIXはパフォーマンスが上がらない要因となっています。

 

 

日経平均株価とTOPIXの違い②計算方法

日経平均株価とTOPIXには株価指数の計算方法にも違いがあります。

 

日経平均株価は各銘柄の株価をベースに計算される「単純株価平均型」の指数で、TOPIXは各銘柄の時価総額をベースに計算される「時価総額加重平均型」の指数という違いがあります。

 

  • 日経平均株価:単純株価平均型(株価をベースに計算)
  • TOPIX:時価総額加重平均型(時価総額をベースに計算)

 

<日経平均とTOPIXの計算方法の違い>

 

TOPIXは時価総額をベースにした指数なので、時価総額(企業の価値)が大きい銘柄の影響を強く受けます。

 

一方、日経平均は株価をベースにした指数なので、株価が大きい銘柄の影響を強く受けます。しかし、株価というのは経済的には特に意味のない数字(同じ時価総額の企業でも、株数を増やせば株価は低くなり、株数を減らせば株価は高くなる)なので、株価に基づいて算出される日経平均の利用価値というのはかなり疑問ですね。

 

<日経平均株価は株価ベースで計算されるが、株価自体に特に意味はない>

・A社:時価総額1000億円、発行済株式数1億株 → 株価1000円

・B社:時価総額1000億円、発行済株式数2億株 → 株価500円

→ 時価総額(企業の価値)が同じA社、B社があっても、日経平均株価ではA社の影響を強く受けてしまう

 

 

実際に日経平均株価とTOPIXの各銘柄のウェイトの違いまとめたのが以下の表です。

 

<日経平均株価とTOPIXの構成銘柄上位>

日経平均株価ウェイトTOPIXウェイト
ファーストリテイリング10.88%トヨタ自動車3.26%
ソフトバンクグループ6.91%ソフトバンクグループ2.71%
東京エレクトロン5.77%ソニー2.71%
ファナック3.23%キーエンス1.84%
ダイキン工業2.75%三菱UFJ1.49%
KDDI2.51%リクルートHD1.38%
アドバンテスト2.39%任天堂1.32%
信越化学工業2.30%信越化1.26%
エムスリー2.24%武田薬1.24%
リクルートホールディングス2.00%NTT1.22%

※2021年3月末時点

 

日経平均株価とTOPIXの構成銘柄を比較してみると、TOPIXでは時価総額日本最大のトヨタ自動車が構成順位1位に入っていますが、日経平均株価ではトヨタ自動車は構成10位以内にすら入っていません。

 

また、日経平均株価では株価の高いファーストリテイリングが10%以上のウェイトを占めていて、いかに日経平均株価がいかにバランスの悪いインデックスかということが分かります。

 

 

日経平均株価にはこのようなデメリットがあるにもかかわらず、日本には有用性と知名度を兼ね備えたインデックスがないため、ニュースでは日経平均株価ばかりが報道される結果、日本人は日経平均株価を経済動向の指標として使い続けてしまっているのが現実です。

 

 

日経平均株価とTOPIXのデメリット【インデックス投資のベンチマークには不向き】

ここまで日経平均株価とTOPIXの違いについて見てきました。

 

日経平均株価とTOPIXは、日本を代表する株価指数として景気動向の参考にされたり、投資対象としても多様な商品が提供されてきました。

 

しかしながら、私個人としては日経平均株価もTOPIXもインデックス投資のベンチマークとするにはデメリットが大きく、今のところ投資をしたいと思えるようなインデックスではないですね。

 

<日経平均株価のデメリット>

単純株価平均型の指数のため株価が大きい銘柄の影響を強く受ける結果、上位3銘柄でインデックスの20%以上を占めてしまうバランスの悪さ

 

<TOPIXのデメリット>

東証一部全銘柄を対象とするため分散効果は十分なものの、東証一部の上場廃止基準が緩いため、旬を過ぎた企業もインデックスに居座り続けてしまう

 

 

このようなデメリットを東証や日本経済新聞社も理解しているのか、2014年には「JPX日経400」という新しいインデックスが作られています。

 

JPX日経400は、業績(営業利益、最終利益、ROEなど)や市場流動性によるスクリーニングをもとに選定した投資魅力の高い会社400銘柄によって構成される指数です。

 

しかしながら、まだ算定開始から期間が短いためパフォーマンスがどれくらいになるのか予測がしにくいことや、JPX日経400を使った投資商品が少ないなどのデメリットがあるので、今後の動向に注目したいと思います。

 

 

まとめ:日経平均株価、TOPIXの違いを比較【インデックス投資の勉強】

最後に記事の内容のまとめです。

 

<日本株のインデックス(日経平均株価、TOPIX)>

日経平均株価TOPIX
概要東証一部上場銘柄のうち代表的な225銘柄で構成される株価指数東証一部上場全銘柄で構成される株価指数
組入銘柄数225銘柄約2,200銘柄
指数の組入基準東証一部上場企業から選定東証一部上場全銘柄
銘柄組入基準東証一部上場企業の代表的な企業を以下のポイント等を考慮して決定

  • 流動性が高いこと
  • セクター間のバランスを考慮
  • 臨時の入替では企業の実態を考慮
【東証一部上場基準】

  • 株主数800人以上
  • 時価総額250億円以上
  • 流通株式時価総額100億円以上
  • 最近2年間における利益の総額が25億円以上、又は、最近1年間の売上高が100億円以上 かつ 時価総額が1,000億円以上

【東証一部上場廃止基準】

  • 株主数400人未満(猶予期間1年)
  • 時価総額10億円未満(猶予期間9か月)
  • 流通株式時価総額5億円未満(猶予期間1年)
  • 債務超過(猶予期間1年)
計算方法株価加重指数時価総額加重平均(浮動株数基準)
特徴株価が高い銘柄の影響を受けやすい時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい
組入上位①ファーストリテイリング(10.9%)トヨタ自動車(3.1%)
組入上位②ソフトバンクグループ(6.9%)ソフトバンクグループ(3.0%)
組入上位③東京エレクトロン(5.7%)ソニーグループ(2.7%)

 

 

<日経平均株価のデメリット>

単純株価平均型の指数のため株価が大きい銘柄の影響を強く受ける結果、上位3銘柄でインデックスの20%以上を占めてしまうバランスの悪さ

 

<TOPIXのデメリット>

東証一部全銘柄を対象とするため分散効果は十分なものの、東証一部の上場廃止基準が緩いため、旬を過ぎた企業もインデックスに居座り続けてしまう

 

 

今回は日本株の代表的なインデックスである日経平均株価とTOPIXの違いを比較してきました。この2つの株価指数は、ニュースでもよく報道される株価指数ではあるものの、必ずしも投資家に高いリターンをもたらしてくれる仕様になっていません。

 

インデックス投資の基本はこれまでもこれからも全世界株式や米国株式が中心になってくるはずですが、ポートフォリオの一部に日本株のインデックス投資を組み入れたい方は、日経平均株価とTOPIXの成り立ちについてよく理解したうえで投資をするようにしたいですね。

 

 

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