今回は「空気清浄効果の高い観葉植物10選 | NASAおすすめのサンスベリアなど」ということで、室内に置くと空気清浄効果で部屋の空気をきれいにしてくれる観葉植物を紹介したいと思います。
観葉植物をはじめとする葉緑体をもつ植物が、二酸化炭素を吸収して酸素を出すことで私たちの空気を清浄化してくれていることは有名ですね。また、乾燥しやすいシーズンには、根から吸った水を葉から水蒸気として輩出して、天然の加湿効果も果たしてくれます。
しかし、実は植物にはこれらの効果のほかに、人にとって有害でありながら私たちの身近に発生しやすい有害物質を除去する効果もあることがわかっています。
観葉植物は小さい苗から育てれば価格も安価ですし、種類によっては耐寒性、耐暑性があり乾燥にも強い種類もあるので、気軽に生活に取り入れやすいものです。
高い空気清浄効果を持つ観葉植物に興味のある方は、本記事を参考に気に入った種類の観葉植物を自宅に置いてみてはいかがでしょうか。
空気清浄効果のある観葉植物とは?
観葉植物の空気清浄効果を証明したNASAの実験
観葉植物の空気清浄効果の話になると必ずと言っていいほどでてくるのが、1989年にNASA(National Aeronautics and Space Administration:アメリカ航空宇宙局)により発表された研究成果です。
この実験により植物が光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を輩出する機能のほか、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、キシレン・トルエン等のヒトにとって有害な物質を吸収・除去する空気清浄効果があることがわかりました。
宇宙ステーションなどの宇宙の居住空間では限られた空間、限られた空気の中で長期間ヒトが生活をしていかなければいけなかったため、ヒトにとって有害な物質を除去してくれる空気清浄効果を持つ観葉植物の発見は重要な発見だったのですね。
NASAでは空気清浄効果の高い約50種の植物を「エコ・プラント」と位置付けて、その空気清浄効果を発表しました。
観葉植物が空気清浄効果で除去できる有害物質
NASAの研究では観葉植物によって、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、キシレン、トルエン、アンモニアなどの有害物質が密閉空間においてどれだけ除去されるかが調査されました。
これらの有害物質は石油製品や化学洗剤、住宅の建材、接着剤など、私達の生活の身近なものにふくまれているので注意が必要です。
<観葉植物が空気清浄効果を発揮する有害物質の例>
ホルムアルデヒド | 刺激臭のある無色の気体で、接着剤、塗料、建材などに使用されている。シックハウス症候群(眼、鼻、喉などの刺激症状、頭痛、倦怠感などが起こる)の要因の一つであり、ヒトに対する発がん性も認められている。 |
ベンゼン | 無色で甘い香りのある液体。プラスチック樹脂や排気ガスに含まれる有害物質で、白血病などの滑液変化の起因となる。 |
キシレン | 無色の液体で、建材用の接着剤、塗料、タバコの煙、排気ガスなどに含まれる。高濃度のキシレンを長期にわたり浴びると、めまい、のぼせ、頭痛、神経以上などを起こすと言われている。 |
トリクロロエチエレン | 甘い香りのある無色透明の液体で高い揮発性がある。インクや油性ラッカー、洗浄剤に含まれる塩素系溶剤の有害物質で発がん性があると言われている。 |
アンモニア | 強い刺激臭のある無色の気体。石油ファンヒーターなどの使用時に排出される有害物質で、シックハウス症候群を引き起こす。 |
トルエン | 無色の液体で、医薬品、塗料、洗剤などに使用されている。高濃度のものを吸引すると眼や気道への刺激、吐き気、疲労、精神錯乱などが起こるとされる。 |
空気清浄効果の高い観葉植物10選
それでは実際にNASAの研究でも判明している空気清浄効果の高い観葉植物のうち代表的なものを紹介していきたいと思います。
<空気清浄効果の高い観葉植物>
植物 | ベンゼン | ホルムアルデヒド | トリクロロエチレン | キシレン | トルエン | アンモニア |
サンセベリア | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
アレカヤシ | × | ○ | × | ○ | ○ | × |
スパティフィラム属 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ディフェンバキア | × | × | × | ○ | ○ | × |
ドラセナ・フラグランス | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
ドラセナ・ワーネッキ | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
ベンジャミン | × | ○ | × | ○ | ○ | × |
ポトス | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
フィロデンドロン オオウバユリ | × | ○ | × | × | × | × |
フィロデンドロン ドメスティカム | × | ○ | × | × | × | × |
サンセベリア(トラノオ・虎の尾)
<サンスベリアの特徴>
水やり | 乾燥に強いが、加湿に弱い |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
日当り | 直射日光を避けた明るい場所に |
原産地 | アフリカ |
除去物質 | ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、キシレン、トルエン |
サンセベリアはアフリカの乾燥地帯を原産地とする多年草で、園芸用としても人気があり観葉植物として広く取り扱われています。
ホルムアルデヒドやトリクロロエチレンなど幅広い有害物質を除去するほか、マイナスイオンも発生させる効果があります。
温度変化や乾燥に強く、日陰でも元気に生育するため、室内でも育てやすいおすすめの観葉植物です。
育て方
サンスベリアは明るい場所が好きなので、レースカーテン越しの日が当たるところなど直射日光の当たらない場所明るい場所に置くようにしましょう。
耐陰性もあるので、多少の日陰でも生きていくことができますが、日照不足が続くと徒長(栄養不足や日照不足でヒョロヒョロと長く伸びる)を起こすことがありますので、できれば一日数時間は明るい場所においてあげると良いですね。
耐寒性はあまり強くないため、冬は室内に入れて、水はあまりあげないようにします。寒い時期は根からの水分九州がほとんど行われないため、根腐れを起こす可能性があります。
サンスベリアを探す
サンセベリアは広く流通しているので、園芸店やホームセンターのほか、ネット通販でも容易に手に入ります。
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ドラセナ(幸福の木)
<ドラセナの特徴>
ドラセナ | |
除去物質 | ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン |
原産地 | 熱帯アフリカ |
水やり | 加湿に弱いため、土が乾いてから水やりを行う |
暑さ、寒さ | 暑さには強いが、寒さに弱く、耐寒温度は10℃程度 |
日当り | 直射日光をさけた日当たりのいい場所 |
ドラセナは熱帯アジアや熱帯アフリカなど、温暖な地域にひろく分布している常緑性の植物で、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレンなどの有害物質を吸収する性質があります。
野生生育下では20mほどにまで生育する品種もありますが、観葉植物として楽しまれているものは0.4~1.5m程度のコンパクトなサイズとなっています。
ドラセナは品種が多いのも特徴の一つで、世界に50種類以上の品種があると言われており、その代表的な品種には以下のようなものがあります。
<ドラセナの代表的な品種>
- ドラセナ・コンシンネ
- ドラセナ・コンシンネ・レインボー
- ドラセナ・コンシンネ・トリカラー
- ドラセナ・フレグランス
- ドラセナ・レモンライム
- ドラセナ・フレグランス・コンパクタ
- ドラセナ・フレグランス・マッサンゲアナ
- ドラセナ・カンボジアーナ
- ドラセナ・パラオ
- ドラセナ・サンデリアーナ
また、ドラセナは非常に生命力の強い植物で、園芸初心者でも簡単に育てられることから観葉植物としての人気が高い植物です。
ドラセナの育て方
ドラセナは直射日光の当たらない明るい場所に置いて生育させるようにします。直射日光に長時間当てると葉焼けを起こしやすい品種です。
耐陰性も強いので日陰でも育ちますが、定期的に明るい場所においてあげた方が元気に生育します。
ドラセナは暑さには強いですが、寒さには弱く10℃全土が耐寒温度となっています。日本の冬を屋外で越すのは難しいので、室内で鉢植えで育てるのがおすすめです。
乾燥には強いですが、加湿には弱いため、水のあげすぎによる根腐れには注意が必要です。特に冬場は、休眠期に入るので乾燥気味に育てます。反対に夏場は、成長期に入るのでやや水の量を増やしていきます。
ドラセナを探す
ポトス
<ポトスの特徴>
ポトス | |
除去物質 | ベンゼン、ホルムアルデヒド、キシレン、トルエン |
原産地 | ソロモン諸島 |
水やり | |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
日当り | 直射日光の当たらない明るい場所を好むが、耐陰性もあり、半日陰でも育つ |
ポトスはサトイモ科の多年草で、かつては植物学上の分類でサトイモ科ポトス属に分類されていたことから現在でも流通上ではポトスと広く呼ばれています。
原産地はソロモン諸島や東南アジアなどの亜熱帯地域で、高温多湿を好む植物です。
ポトスはその育てやすさから観葉植物として人気が高く、ホームセンターや園芸店のほか、100円均一の園芸コーナーなどでもよく見かけることができます。
ポトスの空気清浄効果
<ポトスの有害物質に対する空気清浄効果>
除去能力 | |
ベンゼン | ○ |
ホルムアルデヒド | ○ |
トリクロロエチレン | × |
キシレン | ○ |
トルエン | ○ |
アンモニア | × |
ポトスの育て方
ポトスは高温多湿を好む植物ですが、生命力が強く、多少の環境変化には対応して生きていくことができます。
<夏場の育て方>
夏場の強い直射日光に当てると葉焼けを起こすことがあるので、直射日光を避けた明るい場所で管理するのがオススメです。
<冬場の育て方>
冬場は日光がよく当たる場所に置くのが良いでしょう。気温が10℃以下になってくると、成長がほとんど止まり、給水も緩慢になるので、水の量を減らすようにします。
ポトスを探す
観葉植物の効果
観葉植物を部屋やデスクに置くことで様々な効果が得られますが、その中でも特に信頼性の高い効果が以下の3つです。
<観葉植物の効果>
- 観葉植物を置くと、ストレスが緩和され、仕事の生鮮性も上がる
- 観葉植物を置くと、集中力の回復が早くなる
- 観葉植物を置くと、幸福感が高まる
- 観葉植物を置くと、発想力が上がり、アイデアが出やすくなる
観葉植物を置くと、ストレスが緩和され、仕事の生産性も上がる
2007年にノルウェーで行われた実験によると、職場に観葉植物を置くことで職員のストレスが緩和され、仕事の生産性まで上がることがわかりました。
観葉植物を置くと、幸福感が高まる
350名のオフィスワーカーを対象にしたある実験では、観葉植物を前にしながら作業をした被験者は幸福感が47% アップし、作業の効率が38%も上がったそうです。