こんにちは、モチタケです。私ははじめての転職が第二新卒、未経験職種という底辺でしたが、その後のスキルと経験の蓄積により、誰もが知る超大手企業の内定を何度も獲得してきました。
さて、今回は転職面接の通過率を上げる対策として、面接の冒頭で求められることが多い自己紹介の好印象な回答方法について解説します。「自分のことは自分が一番わかっている」と思っていても、いざ自己紹介を求められるとうまく話せなかったり、面接官が聞きたいポイントとずれた話をしてしまう人は案外多いものです。
転職面接の自己紹介は応募者の印象を決める非常に大事なパートで、ここで失敗したり悪いイメージを与えてしまうと短い面接の中で挽回するのは困難です。一方で、冒頭の自己紹介で「この人は良さそうだ」という印象を面接官に与えることができれば、その後の面接を有利に進めることが可能です。
自己紹介は転職面接で聞かれる頻出の質問No1なので、事前にいくらでも準備・練習をしておくこと可能です。面接当日までに自己紹介についてしっかり準備をして、面接官に好印象を与えられるようになりましょう。
- 転職面接の自己紹介のコツを大手内定者が解説【例文、時間の目安】
- 転職面接の自己紹介で話す流れと項目【挨拶、職務経歴、志望動機】
- 自己紹介の準備、練習の仕方【どこまでやればいい?】
- 転職面接の自己紹介に掛ける時間の目安は何分?【まずは1分】
- 自己紹介をするときのポイント、失敗例、注意点
- 転職面接の自己紹介の回答例文
- QA.自己紹介と自己PRとの違いは?
- QA.自己紹介で退職理由は話すべきか
- QA.転職回数が多い場合、職務経歴はどこまで話す?
- QA.自己紹介で学歴は話した方がいい?
- QA.異業種、未経験職種の場合の自己紹介は?
- QA.第二新卒又は社会人歴が浅く、話せる実績がない
- まとめ:転職面接の自己紹介のコツを大手内定者が解説【例文、時間の目安】
転職面接の自己紹介のコツを大手内定者が解説【例文、時間の目安】
面接官が自己紹介を求める目的は?
企業の採用選考を受けると多くの場合、面接の冒頭で自己紹介を求められます。「では最初に簡単に自己紹介をしていただけますか?」というような聞かれ方が多いと思います。私もこれまでにたくさんの企業の面接を受けてきましたが、感覚としては8割くらいの面接で冒頭に自己紹介を求められました。
それでは転職面接のときに、面接官が自己紹介を求められる理由は何なのでしょうか。また、面接官は候補者の自己紹介で何を見ているのでしょうか。ポイントをまとめると以下のようになります。
<自己紹介をさせる目的、ポイント>
- 全体的な印象、コミュニケーションスキルの確認(表情、声のトーン、言葉遣いetc)
- 候補者の概要の把握
- 面接での話題、ネタを探す
全体的な印象、コミュニケーションスキルの確認(表情、声のトーン、言葉遣いetc)
まず面接官は候補者に自己紹介をさせることでその人の全体的な印象や、基本的なコミュニケーションスキルを確認しています。これから一緒に働くことになる人、自社のお客様や取引先に合わせる人が、対人折衝能力に問題がないかを見るわけです。
具体的なポイントとしては、その人の見た目(イケメンや美女ということではなく、清潔感があるか、TPOをわきまえているか)、表情、しぐさ、声のトーン、言葉遣いなどが挙げられます。面接官は一つ一つのポイントごと細かく判断・審査しているわけではありませんが、こういったところから総合的に候補者の印象の良し悪し、コミュニケーションスキルを読み取っています。
心理学では、人間がコミュニ―ションを取るときに、その人の話す内容そのものよりも、その人の見た目や表情、声のトーンなどからより多くの情報を得ているということが分かっています。この心理学の法則は「メラビアンの法則」と呼ばれ、人がコミュニケーションを取る相手から得る情報は、視覚情報(見た目・表情・しぐさ・視線)が55%、聴覚情報(声の質・速さ・大きさ・口調)が38%を占めるのに対し、言語情報(話の内容、言葉そのものの意味)はわずかに7%に過ぎません。
<コミュニケーション時に重視される情報(メラビアンの法則)>
視覚情報(見た目・表情・しぐさ・視線) | 55% |
聴覚情報(声の質・速さ・大きさ・口調) | 38% |
言語情報(話の内容、言葉そのものの意味) | 7% |
面接官はこのことを知ってか知らずか、あなたのことを視覚情報(見た目・表情・しぐさ・視線)、聴覚情報(声の質・速さ・大きさ・口調)を重視して、印象を総合的に判断しているのです。
候補者の全体的な情報の把握
転職面接で自己紹介を求められる理由のもう一つは、候補者のこれまでのキャリアなどの概要の把握と、それを踏まえてその後の面接で聞く話題を探すということが挙げられます。
採用選考で面接に呼ばれる前には、通常は履歴書や職務経歴書などの書類を企業に送っていると思いますので、面接官はあなたのこれまでのキャリアについて概要は把握しています。「それなら自己紹介なんかさせないで、履歴書と職務経歴書を読んでくれよ」と言いたいところですが、直接本人から話を聞くことであなたについても理解を深めることができるのです。
例えば仕事を教わるときにマニュアルだけ渡されて「この通りやっておいて」とだけ言われた時を想像してみましょう。確かにマニュアルの書類があれば、ある程度作業はできるかもしれませんが、マニュアルだけでは何となく不安、ということもあるでしょう。マニュアルに加えて、先輩や上司がざっと内容を説明してくれれば理解度がグッと上がり、仕事の不安が大きく減ると思います。
面接の自己紹介もこれと似ていて、応募書類から候補者の情報は読み取れますが、自己紹介を通じて本人からざっと説明を受けることで、候補者についての理解や親密度が一気に高まるのです。
面接での話題、ネタを探す
面接で質問をされる内容や話題は、事前にすべてが決まっているわけではなく、面接で会話をしていく中で、面接官が興味をもったことや盛り上がった話題について掘り下げて話が進んでいきます。もちろん、志望動機や入社後にやりたい仕事など、定型的な質問事項は事前に用意されていることが多いですが、面接慣れしている面接官であればあるほど、面接の現場で候補者と話しながら面接の話題を考えていくものです。
面接時の話題を探すという意味では、候補者にある程度自由に話をしてもらう自己紹介というのは非常に効果的です。面接官は、候補者が自己紹介で話した話題の中から、興味のある内容や、自社に入社した場合の業務に関係のある内容が出てきたら、そこを深堀する質問をしようと考えるわけです。
これは面接を受ける候補者の立場に立ってみると、面接官が興味を持ちそうな話題を自己紹介で話すということが重要ということが分かると思います。自己紹介ではただ自分が話したいことを話すのではなく、相手の食いつきそうな話題を持っていくのがポイントです。
転職面接の自己紹介で話す流れと項目【挨拶、職務経歴、志望動機】
では実際に転職面接の自己紹介では何を話せば良いのでしょうか。転職面接の自己紹介で話す内容は大きく分けて2つあり、1つはこれまでのキャリアや実績、2つ目がこれからのキャリアの希望や実現したいことになります。
①これまでの職務経歴や実績
- 学歴、これまでの職歴、在籍部署、職種など
- 現職での実績や工夫している点などの簡単なアピール
- 転職に至った経緯、転職理由
②これからのキャリアの希望や実現したいこと
- 今後のキャリアの希望
- 次の転職先で実現したいこと
- なぜその会社の簡単な志望動機
①これまでの職務経歴や実績
まず自己紹介のはじめでは、あなたのこれまでのキャリアや仕事を通じてあげてきた実績などを話します。
複数の仕事を経験している場合は、すべての職歴を話していると長くなってしまうので強弱をつけて話していきましょう。基本はアピールしたい職歴を多めに話し、アピールしたくない職歴はサラッと流していきます。複数の仕事を経験している人は不本意な転職をした経験があったり、あまり大っぴらに話したくない職歴も中にはあると思います。その場合には、ネガティブな職歴をあえて自分から話す必要はなく、あくまで聞かれたら答えるというスタンスで問題ありません。
職歴に合わせて簡単な実績のアピールをするのも有効です。研究開発担当であれば「○○関連の特許を〇件取りました」ですとか、法務担当であれば「会社に関わる契約書を年100件以上審査してきました」とかですね。実績のアピールは話しすぎると尊大なイメージを持たれてしまうので、あくまで事実を述べる程度にとどめるのがおすすめです。
また、転職に至った動機も自己紹介で話すトピックの候補です。ステップアップなど誰から見てもポジティブな内容の転職理由であれば、積極的に話していくべきです。一方で、職場の人間関係の問題や残業が多すぎたといったネガティブな転職理由の場合には、あえて自分から話す必要はありません。自己紹介で転職理由を話すかどうかの判断基準は、相手に伝えた方がいい転職理由か、あまり知られたくない転職理由かで判断してください。
②これからのキャリアの希望や実現したいこと
自分のこれまでのキャリア等を話した後には、これからのキャリアのことについて話していきます。
面接官はその人のこれまでのキャリアを聞くことで自社で活躍するポテンシャルのある人材かを判断し、その人のこれからのキャリア志向から自社の雰囲気に合っているかや辞めずに長く働いてくれそうかを判断します。
候補者が自社に入ってから何をしたいのか、自社に入ることで何を実現したいと考えているのか、という点は面接官も非常に興味を持っているポイントです。長々と話す時間はありませんが、ポイントだけは伝えておくとその後の面接がスムーズに進むと思います。
年代によって話すべき内容のボリュームを変える
転職面接を受けるのがどの年齢層の人であっても基本的に話す内容は、①これまでのキャリアや実績、②これからのキャリの希望や実現したいこと、に変わりはありません。しかし、その人のこれまでのキャリアや年齢層によって①と②のボリューム感を調整するようにしましょう。
第二新卒のような若い世代の場合には、これまでのキャリアや実績について話せる内容が少ないことがほとんどだと思います。若い年代がこれまでの実績について盛大に話し過ぎても、ベテラン社員から見れば大したことがない実績であったり、可愛げがなく見えてしまうこともあるのでうまくありません。若い世代の場合には、これまでのキャリアはやや手短に話し、これからのキャリアでどうしていきたいのか、という未来志向の話をした方が好感を持たれやすいです。
一方、30代以上である程度のキャリアを積み上げてきた人の場合には、これまでのキャリアや実績を中心に話をしていくべきです。会社としてはこれくらいのキャリアの人は、入社後にこれまでの経験を活かした即戦力となってもらったり、自社にはなかった新しい価値や改革をもたらして欲しいと思っています。面接官としても、その人のキャリアの希望より、実際に入社後に自社でどんなことをしてくれる人なのかを知りたいと思っています。面接官のその要求に答えるためにはあなたがこれまで何をしてきて、どんな実績をあげてきたかを話すのが最も有効なのです。
<年代と自己紹介で話す内容のポイント>
- 年齢が若くキャリアが浅い人は、これからのキャリアの希望や実現したいことを重視して話す
- 30代以上のキャリアがある人、これまでのキャリアや実績を重視して話す
自己紹介の準備、練習の仕方【どこまでやればいい?】
転職面接の自己紹介で話す内容が理解出来たら、実際に転職面接で自己紹介を話すときのための準備をしていきます。自己紹介の準備は以下の流れで進めていきます。
<自己紹介の準備方法>
- 自己紹介で話す内容の原稿を作る
- 自己紹介を話す練習する
- 自己紹介の内容をアップデートする
自己紹介で話す内容の原稿を作る
転職面接で自己紹介を話す準備をするときは、まず自己紹介で話す内容を書き出して原稿を作っていきます。「いやいや、自分は話が得意だからすぐに話せるよ」という方、自分は準備なんてしていかないで「ありのままの自分を見てほしいんだよ」という方、ちょっと待ってください。人気企業の面接は準備なしで内定を取れるほど甘くはありません。
話が得意で面接でもペラペラ話ができるという方は案外多いですね。そういう方は実際に面接でスムーズに話ができるのだと思います。しかし、話題を選んで面接官に刺さる話ができているかというとどうでしょうか。面接の場はただ自分が話をすれば良い場所でもなく、面接官と会話を楽しむ場所でもありません。転職面接は面接官に好印象を与えて最終的に内定を獲得することが目的ですから、話が得意な方も「話題を選ぶ」ための準備が必要です。
「ありのままの自分を見てほしい」という方は、考え方が少しずれているかもしれません。面接に準備をしないで挑むのは、野球の試合に練習をしないで行くこと、ビジネスの商談の場に行くのに資料を読んでいないこと、と同じです。ありのままの自分を見てほしいという方は、プライベートで家族や恋人に見てもらいましょう。
話が少しずれてしまいましたが、面接の準備にはまず原稿を作りながら、面接官に刺さりそうなネタは何か、もっと伝えておいた方が良いことはないか、を練っていきましょう。
面接の原稿を作るときの注意点は、「書き言葉」ではなく「話し言葉」で作るということです。「書き言葉」とは、本やレポートなどを書く時の書き方で、ですます調できっちりした文章です。書き言葉を面接で読んでしまうと、いかにも準備してきた内容をしゃべっているという感じになり不自然です。
一方の「話し言葉」は普段の会話を文字に起こしたものです。演劇やドラマのセリフの台本をイメージするといいでしょう。話し言葉で自己紹介の原稿を準備しておくことで、実際の面接のときにより自然な会話を演出することができます。
自己紹介の練習をする【話、表情、声色、しぐさ】
自己紹介の原稿ができたら実際に面接で自己紹介を聞かれたときの気持ちになって、自己紹介の練習をしていきます。
最初は原稿の内容がなんとなく頭に入るまで読み込んでください。この時に原稿の内容を丸暗記してしまうと、実際に話すときにわざとらしさが出てしまうので丸暗記はしなくてOKです。
自己紹介の内容がある程度話せるようになったら、話すときの表情や声のトーン、しぐさなどに注意を払っていきます。面接は原稿の朗読大会ではありません。面接官に与える印象は、話の内容よりもむしろ表情や声のトーンなどであることは先ほどお話ししたとおりです。話すときに正しい姿勢や好印象を与える朗らかな表情などが自然にできるように練習をしてください。面接で話すときの練習は、役者や俳優になった気持ちでやると良いですね。話す内容だけではなく、しぐさまでを含めたすべてを練習していきます。
<面接の練習をするときのポイント>
- 原稿を丸暗記すると話に不自然さが出るので、丸暗記は不要
- 練習するのは話の内容だけではなく、表情やしぐさも練習をしておく
- 舞台に立つ役者をイメージするとgood!
内容を改善していく
自己紹介の原稿作成と練習はやり始めたらキリがありませんが、練習をする中で徐々に内容を改善していくと良いでしょう。自己紹介の練習をしているうちに「この部分はわかりにくそうだな」「この部分は話し方が不自然だ」というところが必ず出てくるはずです。こうした改善点が見つかったら、徐々に修正を加えて改善していきます。練習を重ねながら原稿を修正していくと、どんどん自己紹介がうまくなっていくはずです。
ビデオに撮って自分で見る
自己紹介の練習をするときにおすすめしたいのが話している自分の姿をビデオに撮ってチェックしていみることです。はじめは多少恥ずかしいかもしれませんが、スマホで簡単に取れますし、誰に見られるわけでもありません。
ビデオに撮ってみてみると自分の話し方の癖が聞くときに気になるとか、表情が暗くて印象悪い、など今までにない発見があるはずです。ここまで練習を積む人は少ないと思いますので、ここまでやることができれば他の候補者との差別化に繋がるでしょう。
転職エージェントの担当者に添削してもらう
自己紹介用に書いた原稿を転職エージェントの担当者に添削してもらうという方法もあります。転職エージェントは面接の突破方法についても精通しているので、原稿を読んでもらうことで思わぬアドバイスが得られることもあります。反対に、期待するようなアドバイスが担当者から得られなかった場合には、担当者の変更を考えるのもアリだと思います。
転職面接の自己紹介に掛ける時間の目安は何分?【まずは1分】
転職面接の自己紹介はどれくらいのボリューム感で話せば良いのでしょうか。面接対策本などを読んでみると、短い方がいいという本や、短すぎると意欲が感じられないので眺めが良い、とする本など様々で悩む方も多いと思います。
私はこれまで多くの転職面接を受けてきた経験から、転職面接の自己紹介に掛ける時間は「1分+補足(+補足・・)」が最適解だと考えています。
「1分+補足(+補足・・)」とはどういうことかというと、まず自己紹介を1分に凝縮して自分のことをざっと理解してもらえるように話を展開します。自己紹介を1分話し終えてさらに話を続けた方が良い雰囲気を感じたら、そこに1分程度ずつで補足を付け加え続けるというやり方です。
自己紹介に掛ける時間は「1分+補足(+補足・・)」
面接官には、会話のラリーを重視して短い会話の交換をするタイプの面接官と、候補者にプレゼンテーションのようなある程度まとまったボリュームの話を要求している面接官の2種類がいます。面接官がどのタイプかによって自己紹介に掛ける時間の最適解は異なります。
会話のラリーを重視するタイプの面接官は、面接の場数をこなして面接慣れしていたり、もともとのコミュニケーションスキルが高い面接官に多いケースです。このタイプの面接官には1分程度の短い自己紹介をすれば十分で、そこで話した内容や応募書類に書いてある内容から、次の話題を展開していってくれます。反対に、会話のラリーを重視するタイプの面接官に長い自己紹介をしてしまうと、飽きられるリスクがあったり、対話する能力が低いとみられる可能性があるので危険です。
一方、まとまったボリュームの話を要求するタイプの面接官は、面接慣れしていない人、やや堅苦しいタイプの人、役員などの役職が高い人に多くいます。このタイプの面接官を相手に自己紹介を短く終えてしまうと「もう終わりなの?」といった雰囲気になってしまうことがあります。このタイプの面接官に当たった時は、まず1分にまとめた自己紹介を話し、そこで面接官が次の質問がまとまっていなそうであったり、更に話をつづけた方がよさそうな雰囲気を感じ取ったら、自己紹介に補足を加えて話にボリューム感を出していきます。
自己紹介を要求される面接の冒頭では、候補者側としても面接官がどの程度のボリューム感の話を好むタイプなのかを読み取ることはできません。そこであらゆるタイプの面接官に対応できるように、自己紹介の長さを柔軟に変えられる形で用意しておくべきなのです。
この話をすると「1分の自己紹介」「3分の自己紹介」「5分の自己紹介」の3種類を準備して面接に臨んでいるという意見も耳にすることがあります。これはそもそも3種類の自己紹介を準備して練習する手間がありのでおすすめはしません。また、実際の面接で5分の自己紹介を話し始めたけれど、途中ではなく終わった方がよさそうな雰囲気になってしまった、ということもありえますね。
このことから、面接で話す自己紹介は「1分+補足(+補足・・)」という形で用意しておき、面接官のタイプやその場の雰囲気に応じて、適切な長さで話を切り上げられるようにしておくのが自己紹介の最適解です。最短は1分、最長は3分程度まで補足をしていけるように話を準備をしておけば十分です。
このやり方であれば自己紹介を何種類も準備をしておく必要はありませんし、面接でどの程度のボリューム感の話を要求されたとしても焦る必要もありません。自己紹介を話しながら、面接官の満足するボリューム感になったところで話を終えれば大丈夫なので、気持ちに余裕をもって話すことができるはずです。
<自己紹介に掛ける時間の目安のポイント>
- 面接官のタイプによって自己紹介で話すべき時間の目安が違う
- まず1分で自己紹介を話し、必要なら話に補足を加えられるように準備しておく
- 自己紹介を長さごとに何種類も用意するのは、どの長さで話すかの判断ミスや準備の手間を考えるとおすすめしない
自己紹介をするときのポイント、失敗例、注意点
ここからは自己紹介の準備をするとき、実際に面接で自己紹介をやるときに気を付けたいポイント、失敗例について解説していきます。
相手の求めていないことを言う、仕事と関係ないことを言う
自己紹介で話すべきことは自分が話したいことではなく、面接官が聞きたいことです。ですから、これまでのキャリアや仕事の実績の中で話すべきことは、面接を受けている仕事に関係のあることや、その仕事に役に立つであろう経験や実績を話します。
自己紹介で全てを話そうとしない。長すぎるのはNG!
転職面接で「自己紹介をお願いします。」と言われた場合に、気合が入りすぎて、これまでの経歴から、退職理由、志望動機まで詳細に話をして、気が付けば5分も10分も時間が経っていた、という人がときどきいるようです。
面接はスピーチ大会ではなく、面接官との会話のキャッチボールです。自己紹介は基本的に1分程度を目安に切り上げ、面接官がさらに話してほしそうなときのみ補足を加えていくようにしましょう。そのほかは、面接官から追加で質問をしてきてくれるので、長くなりすぎないように自己紹介は話しましょう。
面接官が理解できない話をする。(専門用語、社内用語)
普段の仕事の中では当たり前に使っている専門用語、社内用語も、面接官には理解できないというケースがあります。専門用語や社内用語を使うときは、それが世間一般で知られている用語なのか、社内などの狭いところでしか通じない用語なのかに注意を払いましょう。
こういった言葉の配慮は面接の場だけでなく、日常の仕事の中でも意識すると良いと思います。その仕事のキャリアが長くなり専門用語を使いこなすようになると、キャリアの浅い人などにも平然と専門用語を使ってしまっていませんか。相手の分からない専門用語を使って優越感に浸っている場合ではありません。本当に優秀な人は相手が理解できるレベルや言葉を見抜いて、難しいことも優しく話すものです。
マイナスな話を自分からしてしまう
仕事のキャリアの中には、自分があまり触れられたくないネガティブな理由で転職した経験や、仕事の中で大きな失敗をした経験もあるかもしれません。こういった話はあえて自分からする必要はありません。聞かれたときには正直に答えなければいけませんが、あえて自分から話をするのも馬鹿正直すぎます。
どこかの飲食店に行ったときに、聞いてもいないのに「うちは前に食中毒を出してしまったけれど、それから対策をしっかりするようになったんだよ!」と言われても困ると思います。過去にネガティブなことや失敗があったとしても、それを糧に成長したり、対策をしているのであれば別に問題ないはずです。聞かれたときにはじめて「○○なことがあったけど、今は××をして改善している」と話せればいいのです。失敗から何も学んでいなかったり対策ができていないなら、転職をする前にまずその失敗の原因を考えて対策を打ちましょう。
話す内容ばかりに意識がいって、表情や声のトーンに注意がいっていない
これは面接の練習が十分でないケースや、原稿を作って丸暗記で話している方に多いケースです。前述の通りですが、転職面接は原稿の朗読大会ではなく、話す内容・表情・声のトーン・しぐさなどを含めた総合演出で、役者が出演する演劇や舞台のようなものです。
面接の評価は何を話したかによってのみ評価されるわけではなく、あなたの話し方や表情などを含めた総合的な立ち振る舞いによって評価が決まります。ドイツのモダニズム建築家ファンデル・ローエも「神は細部に宿る」と言っています。細かい部分の演出にまで注意を払える人が、面接で高い評価を獲得します。
転職面接の自己紹介の回答例文
<現在のキャリア>
鈴木太郎と申します。私は現在、ABC株式会社というところで営業職として勤務しております。ABC株式会社というところは主にテレビの液晶モニターを取り扱っている会社でして、海外の協力工場で生産したものを国内に輸入して販売する、というような事業を行っている会社です。その中で私は関東地域のお客様への販売を担当していまして、
お客様から質問をいただいたときに即座に対応できるようにですね、競合会社の製品の情報ですとか業界の動向などは頭に入れておいて、お客様に何かあった時に頼られるような関係性を築けるように努めてきました。
<今後のキャリアについて>
今の仕事は今年で5年目になりまして、それで今後の自分の長期的なキャリアを考えたときに、海外での営業ですとか、マーケティングのような仕事にもチャレンジできる企業で働いてみたいという思いが強くなりまして、今回転職活動を行っております。
QA.自己紹介と自己PRとの違いは?
ここからは転職面接での自己紹介に関連するよくある疑問について回答していきたいと思います。
まず、「自己紹介と自己PRの違いは何ですか」という疑問についてです。自己紹介と自己PRの違いはまとめると以下の通りです。
<自己紹介と自己PRの違い>
自己紹介 | 面接の冒頭で聞かれることが多い。自分のキャリア、転職理由、志望動機、PRポイントなどの概要を話す。 |
自己PR | 面接の冒頭で自己紹介でセットで聞かれるケースや、キャリアや実績について一通り説明した後に聞かれることが多い。自分のキャリアや仕事の実績などの中から特にPRしたいものを話す。 |
自己紹介は面接の冒頭で聞かれ、自分について大まかに理解してもらうための概要を話します。ですので、自己紹介の内容の中には一部、自己PRで話す内容と重複する部分もあるでしょう。しかし、あくまで自己紹介は自分の全体像を理解してもらうためのものなので、自己PRのように自分の長所や実績を前面に出して話をすると尊大なイメージを持たれてしまうので注意しましょう。
一方で、自己PRは面接の冒頭で自己紹介と合わせて自己PRをするように求められるケースや、ある程度面接の話が進んだ後に自己PRを求められるケースがあります。自己PRでは自分がこれまでにあげてきた実績や、その実績をあげるために工夫した点、性格的な長所などを話します。ポイントとしては、自分の経験や実績が次の仕事にどのように生きるのか、あなたが次の仕事でも実績をあげられると考える根拠は何なのか、という観点から話をすると良いでしょう。
QA.自己紹介で退職理由は話すべきか
転職面接で必ずと言っていいほど聞かれるのが転職理由、退職理由です。そもそも転職理由を面接で聞かれるのはなぜなのでしょうか。大きく分けて以下の2点があります。
<面接で転職理由を聞く理由>
・入社してから同じ理由で退職しないか
・どんなことがあると転職を考える人なのか知りたい
人を採用する側は基本的に採用した人にはある程度長く働いてもらいたいと思っています。中途で採用する人というのは、これまでの会社を辞めて、自社に入ることを考えている人です。当たり前ですが中途採用をする人は必ず仕事を辞めた経験があります。仕事を辞めたことがあるということは、自社に入ったあとに過去の転職理由と同様の事象が生じれば辞めてしまう人だということです。であれば、中途採用をする側としては候補者の過去の転職理由を聞いて、自社に入社した後に同じような理由で辞められてしまうリスクがないかを知りたいですよね。
退職理由は人によってさまざまで、キャリアアップややりたい仕事につくためといったポジティブなものから、人間関係や労働環境の問題などのネガティブなものがあります。
ポジティブな転職理由であれば、面接官に好印象を与えることができる可能性もあるので、自己紹介で簡単に退職理由を話すのも有効です。一方で、転職理由がネガティブで言いづらい内容の場合には、面接の冒頭であえて話す必要はありません。そこから続く面接の雰囲気を壊します。
ネガティブな転職理由であっても、自己紹介の際に簡単に転職理由に触れて置いた方がいいケースもあります。それは「なぜこの人が転職するんだろう」と面接官に思われる場合です。具体的には、給料が高い会社から給料が下がる会社への転職、ネームバリューのある会社から無名の会社への転職などの場合です。
このようなケースの場合、転職者としてはそれなりの理由があって転職するのですが、面接官としては転職理由が何なのか疑問に思います。すると面接のどこかで転職理由については詳しく聞かれる可能性があるので、自己紹介の際に軽く転職理由に触れて、先回りして面接官の疑問を解消しておくことも有効です。
QA.転職回数が多い場合、職務経歴はどこまで話す?
はじめての転職や、2回目の転職くらいであれば、短い自己紹介の中ですべての職務経歴を話すことができるかもしれませんが、転職回数が増えてくるとすべての職務経歴を話すのは時間的に厳しくなってきます。
また、転職回数が多い人が「1社目は○○の仕事をして、2社目で○○をして、3社目は○○で、4社目では・・・」といった形ですべての職務経歴について話をしていると、次々に職を変えてしまう飽きっぽい人だという印象を当たえてしまいます。
そういった転職回数が多い人は、面接を受けている仕事に活かせそうな職務経歴を中心に話し、そのほかの仕事はできるだけ省略して「いくつかの仕事を経験しました」などとまとめてしまいましょう。1社ずつの職務内容や詳しい退職理由などは聞かれたときにはじめて話せばOKです。
QA.自己紹介で学歴は話した方がいい?
自己紹介で学歴を話すべきかについては、卒業学校名をサラッと話しておくと良いと思います。
「○○大学(○○専門学校)を卒業して、○○に入社しました。」といった形で話をすればOKです。世間一般的に知られている学校ではない場合は、「○○県にある○○大学を卒業して、○○に入社しました。」などの地域情報を話すと良いと思います。
たまたま面接官と同じ学校だったりすると親近感を持って接してもらうことができます。あなたも職場の同僚や先輩後輩が同じ学校の出身だと知ったりすると、何となく親近感を感じたりしませんか。有名な学校でない場合は、どの都道府県・市区町村にある学校かを話すことで、面接官が同じ学校ではなくても近隣の学校の出身であったり、その会社の事業所が近くにあったりすると話が盛り上がったします。
学歴・出身校について話をするのは、その学歴がどうかということよりも、面接官に親近感を持ってもらったり、面接官に会話のネタを提供するという意味ではなかなか有効な話題です。
QA.異業種、未経験職種の場合の自己紹介は?
異業種、未経験職種の場合の自己紹介はどうすれば良いのでしょうか。
転職希望者はこれまでの仕事から変わりたいから転職をするわけですから、異業種・未経験職種への転職というのは割合としてはかなり多いと思います。一方で、企業側としては新卒を育成するリソースが無かったり、早期に戦力になってもらいたいという理由で中途採用をしているので、異業種・未経験職種から応募してくる人より、同じような仕事をしてきた人を採用したがるものです。この転職希望者と採用側のギャップが転職活動の難しいところですね。
異業種、未経験職種への転職をするときの自己紹介で気を付けるポイントは以下の通りです。
<ポイント>
・これまでの仕事との共通点、活かせる経験、希望の仕事に関連して勉強していることを話す
・異業種、異職種の話は面接官に通じないことがあるので、専門用語に注意
異業種や未経験職種の転職面接を受ける場合には、これまでの仕事との共通点や活かせる経験を見つけて話題にします。例えば、営業経験者が事務職に転職する場合には、営業職で身に着けた人間関係は事務職として社内の様々な関係者と接するのに役に立つと思います。また、経理部門で働いていた人が人事部門に転職しようとする場合であれば、経理の仕事で見につけたエクセルスキルや税金関係の知識が人事部門でも活かせると思います。
一見、関係ないように見える仕事であっても、よく考えてみると案外共通点は見つかるものです。異業種で身に着けた経験は、その道一本で歩んできた人は持っていない強みになったりするので、異業種や未経験職種への転職も十分にチャンスはあります。
あと異業種から来た人が注意したいのは、面接で専門用語をなるべく使わないようにすることです。ご自身にはなじみのある言葉であっても、異業種の世界に行けばその用語が知られていないということはよくあります。面接官にはわかりやすく話をするということに気を配りましょう。
QA.第二新卒又は社会人歴が浅く、話せる実績がない
入社して間もなく退職してしまった場合や、第二新卒の場合には、在籍した会社でもまだまだ教育対象でまともな仕事をあまりしていないということもあります。この場合は話せる実績があまりなく面接での話題に困ることがあります。
第二新卒などで話せる実績があまりない場合には、仕事に取り組むうえでご自身が気を付けていた点、工夫していた点を話しましょう。必ずしもそれが実績や成果に繋がっていなくても構いません。面接官も第二新卒のようなキャリアの浅い方には、良くも悪くもそれほど大きな実績を期待していません。
成果や実績より重要なのは、仕事に取り組む姿勢や自分なりにやってきた工夫です。取り組む姿勢や仕事への工夫に「なるほど」と思える点があれば、面接官もその人が入社後に成果を出してくれることをイメージすることができるはずです。
まとめ:転職面接の自己紹介のコツを大手内定者が解説【例文、時間の目安】
転職面接における自己紹介は、候補者の印象を決める大事なステップです。自己紹介であまり多くを語る必要はありませんので、短い時間ではきはきと力強い受け答えができれば十分です。転職面接冒頭の自己紹介にスムーズに対応してその続きの質問に対する弾みをつけましょう。
【大手企業内定者が解説】失敗しない転職講座メニュー
第二新卒、未経験職種という底辺の転職から、その後のスキルと経験の蓄積によって、超大手企業への内定を獲得しました。ノウハウはブログ記事にまとめています。
・退職交渉の流れと切り出し方【引き止めで難航、進まない失敗例】