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ドル円為替相場の予想と長期見通し【株式投資やFXに】

ドル円為替相場の予想と長期見通し【株式投資やFXに】

株式投資やFX、企業の財務担当者が知っておきたい為替レートの見通しについて、記事にまとめました。為替相場は短期的な動きを予想するのは不可能だと思っていますが、経済の動きを知ることで、為替レートがどの方向に動こうとしているのかをざっくりと知ることが可能です。本記事ではドル円相場の予測方法と最新の見通しについてまとめています。

 

ドル円為替相場の予想と長期見通し【2020年4月】

では2020年4月時点のドル円相場の状況を見てみましょう

 

<為替レートのチャート>

 

<購買力平価チャート>

 

<2020年4月の為替レートの状況>

2020年1月2020年2月2020年3月2020年4月
実勢レート109.38109.96107.42107.85
購買力平価121.36121.02121.41122.39
インフレ率(日本)0.7%0.6%0.4%0.1%
インフレ率(米国)2.5%2.3%1.5%0.3%
インフレ率の差1.8%1.7%1.1%0.2%
インフレ率の影響円高方向円高方向円高方向円高方向
貿易収支(日本)-9012410
貿易収支(米国)-453-399-444
貿易収支の差-363-523-454
貿易収支の影響円高方向円高方向円高方向
円金利(6M LIBOR)0.0161%-0.0126%-0.0680%0.0219%
ドル金利(6M LIBOR)1.8389%1.6794%0.9638%1.0680%
金利差1.8228%1.6920%1.0318%1.0461%
金利差の影響円高方向円高方向円安方向

 

<2020年4月の為替レートの状況>

・実勢レートは107.85円、為替レートの理論的な数値である購買力平価は122.39円

・インフレ率は継続的に米国が上回っており、円高方向への圧力

・貿易収支は米国が貿易赤字を続けており、円高圧力への圧力

・金利は日米ともに上昇して若干の金利差縮小となり、円安方向への圧力

・コロナウイルスの影響により、各経済指標が上下にぶれやすい状況になっていて、短期的な予想は困難な状況ですが、米国の相対的に高いインフレ率と継続的な貿易赤字により、長期的には円高トレンドになっています。

 

 

2020年4月時点の為替レートの状況はこのようになりました。為替レートの見方については以下で解説していきます。

 

為替レートは”購買力平価”と”通貨の需給”で決まる

為替レートはたくさんの市場参加者が通貨の買いと売りを繰り返すことによって価格が形成されます。この為替レートを予想するにはどうすれば良いのでしょうか。為替レートを決定する要因は【購買力平価±通貨の需給】で決まると考えられます。

 

・為替レートを決定する要因は【購買力平価±通貨の需給】

 

為替レートを考える上でのまず知る必要があるのが購買力平価という考え方です。購買力平価とは、同じモノであればどこの国買っても同じ値段になるはずだという為替レートの考え方です。どういうことかというと、例えば、鉛筆1本が日本で100円、アメリカで1ドルで売られていたとすると、為替レートは[100円/1ドル]になるはずだという考え方です。もちろん、鉛筆の原料がどこで生産されているかや、鉛筆工場がどこにあるか、日本とアメリカへの輸送コストがいくらかかるかによって値段は変わるはずです。しかし、世の中にあるあらゆるモノ、食べ物や生活必需品、車、電気、エネルギーなどの価格をおしなべて考えれば、同じモノをどこの国で買っても同じ値段になるような為替レートに収束するだろう、というのが購買力平価による為替レートの考え方です。

 

為替レートを考える上でもう一つ重要なのが、各通貨の需給(需要と供給)です。言い換えれば、通貨ごとの人気とも言えますね。為替レートは、その通貨を買いたい人と売りたい人が価格交渉をして、価格交渉が成立する価格で決まるので、その通貨を買いたい人がたくさんいる通貨は高くなりますし、その通貨を売りたい人がたくさんいる通貨は安くなります。各通貨の需給や人気の具体的な見方、判断方法については後述します。

 

<為替レートの動きのポイント>

購買力平価・・・同じものであればどの国でどの通貨で買っても同じ値段になるように為替レートは形成されるはず、という考え方

通貨ごとの需給・・・買いたい人が多い通貨は通貨高になり、売りたい人が多い通貨は通貨安になる

 

購買力平価

同じものであればどこの国で買っても同じ値段になるはず、という為替レートの考え方が購買力平価でした。購買力平価の考え方が成立する為替レートは、公益財団法人国際通貨研究所が公表してくれています。

 

<公益財団法人国際通貨研究所>

IIMA-GMVI・購買力平価 | 公益財団法人 国際通貨研究所

 

購買力平価は国同士又は通貨同士のインフレ率の差によって変化していきます。インフレ率が高い通貨は、貨幣の価値が下がっていくため、為替レートが通貨安になっていき、インフレ率が低い通貨は通貨の価値が下がりにくく、為替レートが通貨高になっていきます。ドル円は10年単位の長期トレンドで見ると円高に進んでいますが、これはアメリカでゆるやかなインフレが続いているのに対して日本がデフレが続いてきた影響が大きいです。

このように為替レートの非常に大きな流れは購買力平価の考え方によって把握することが可能です。

 

為替レートと通貨の需給【貿易収支】

為替レートの動向を見る上で、購買力平価に加えて大切なのが通貨ごとの需給です。為替レートは、通貨の売り手と買い手で売買交渉が成立した価格なので、買い手が多い通貨は通貨高になり、売り手が多い通貨は通貨安になります。これが為替レートを見る上で通貨ごとの需給が大切になる理由です。この通貨ごとの需給を知る上で大切なのが貿易収支です。

 

貿易収支と一つの国における貿易の輸出額と輸入額の差額を言います。輸出額が多い国は貿易収支が黒字(プラス)になり、輸入額が多い国は貿易収支が赤字(マイナス)になります。

 

貿易黒字の国は海外への輸出の際に外貨を獲得して、その通貨を自国通貨に両替(外貨売り、自国通貨買い)するため、自国通貨が通貨高になりやすくなります。一方、貿易収支が赤字の国は、海外から物資を輸入する際に自国通貨を外貨に両替(自国通貨売り、外貨買い)するため、自国通貨安になりやすくなります。

 

現在、日本の貿易収支はまちまち、米国の貿易収支は赤字が続いている状況なので、貿易収支の観点からはドル安方向への圧力がかかっています。

 

貿易収支(日本)

【日本】国際収支・貿易収支 - 経済指標詳細 - Yahoo!ファイナンス
財務省が発表する国際収支とは大きく分類すると経常収支と資本収支とに分かれます。市場では経常収支全体と経常収支内の貿易収支に注目します。貿易収支がよくなると、経済状況が良いという判断から、円が買われやすくなります。

 

貿易収支(米国)

【米国】貿易収支 - 経済指標詳細 - Yahoo!ファイナンス
米商務省が発表する貿易収支とは、米国からの輸出と、米国への輸入の差額のことです。貿易収支がよくなると、対象国の経済状況が良いという事から、ドルが買われやすくなります。

 

為替レートと通貨の需給【実質GDP成長率】

通貨の需給と関係するマクロ経済指標に、実質GDP成長率があります。

 

実質GDP成長率とは、名目GDP成長率からインフレ率を差し引いたものを言います。名目GDPが2%成長していたとしても、インフレ率が5%だったとすると、実質的にはその国はマイナス成長ということになります。そのため、その国の成長度合いをみるには実質GDP成長率を見る必要があります。

 

その国の成長度合いを測る指標が実質GDP成長率ですが、実質GDP成長率が高い国には海外からの投資が集まります。海外からの投資が集まるときには、外貨をその国の通貨に両替して投資をするため、その国の通貨が強くなります。

 

<直近の実質GDP成長率>

日本 0.65%(2019年)

米国 2.33%(2019年)

 

<実質GDP成長率の参照サイト>

https://www.imf.org/external/datamapper/NGDP_RPCH@WEO/JPN

 

経済指標のカレンダー【ドル円為替の見通しの重要指標】

為替の見通しや予測をする上で必ず押さえておきたいのが以下の経済指標とその公表日です。経済指標の発表は非常に重要なものから、重要性の低いものまでたくさんありますが、まずは以下のものを抑えておけば大丈夫です。興味がある方はそのほかの細かいものまで調べても良いと思います。

 

<重要経済指標の発表スケジュール>

経済指標内容・公表時期
消費者物価指数(日本)毎月20日ごろに先月の数値を公表
消費者物価指数(米国)毎月10日ごろに前々月の数値を公表
貿易収支(日本)毎月8日ごろに前々月の数値を公表
貿易収支(米国)毎月4日ごろに前々月の数値を公表
GDP(日本)2/5/8/11月中旬に、前四半期の数値を公表
GDP(米国)1/4./7/10月下旬に、前四半期の数値を公表
日銀政策決定会合1.5か月に1回程度実施し、政策金利を公表
FOMC1.5か月に1回程度実施し、政策金利を公表

 

<カレンダー形式>

公表時期経済指標
毎月4日貿易収支(米国)
毎月8日貿易収支(日本)
毎月10日消費者物価指数(米国)
2/5/8/11月 15日GDP(日本)
毎月20日消費者物価指数(日本)
1/4/7/10月 30日GDP(米国)

日銀政策決定会合とFOMCの日程については以下をご覧ください。

FOMC・日銀会合・MPC・ECB・RBA理事会日程2020【金融カレンダー令和2年】保存版 | FXCAFE.JP[FXカフェ]
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為替レート関連 お役立ちサイト集

為替レートの見通し、予測を考えるときに役立つお役立ちサイトをご紹介します。

 

為替レートのヒストリカルデータダウンロード

2002年以降の為替レートがダウンロードできます。

ヒストリカルデータ | みずほ銀行
みずほ銀行は、高付加価値の総合金融サービスを提供する国内最強のコマーシャルバンクを目指します。

 

金融機関等の為替見通し

【野村證券】マーケットアウトルック – 米ドル/円

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