胃がん患者の95%以上が感染していると言われるピロリ菌。皆さんはピロリ菌検査を受診したことはあるでしょうか。
以前から気になっていたピロリ菌検査を実際に受けてみましたので、検査方法や保険適用と自費の区分、所要時間等についてまとめました。これからピロリ菌検査の受診を検討している方は参考にしてみてください。
ピロリ菌検査は中学生以上なら一度は受けるべき!手軽な検査で胃がんのリスク回避
胃痛や胃がんの原因になると言われているピロリ菌ですが、胃がん患者の95%以上がピロリ菌に感染しているそうです。ピロリ菌の感染者の全員が胃がんになるわけではありませんが、ピロリ菌の感染者の5%程度が胃がんになると言われています。
詳しくは後述しますが、現在はピロリ菌の検査は非常に簡単かつ苦痛がない方法で検査ができるので、中学生以上の方であれば一度検査をしてみると良いです。実際、私も胃に何か症状があったわけではありませんが、簡単な検査で今後の胃がんという重病のリスクを回避できるのであれば!ということで受診をしてみました。
特に今時点で、胃もたれ、吐き気、食欲不振、慢性的な腹痛などがあるときは、ピロリ菌の検査をぜひ一度受けてみてください。
ピロリ菌検査はどこで受ける?専門医や消化器内科に相談
参考:ピロリ菌の検査ができる施設
検査方法の種類【どれがいい?】ピロリ菌はウレアーゼ酵素の反応で分かる
ピロリ菌の検査方法は大きく分けて、「内視鏡を使わない検査」と「内視鏡を使う検査」に分かれます。
いろいろな検査方法がありますが、現在は苦痛の少なく手軽に受けることができる尿素呼気試験法が一般的な検査方法なようです。
内視鏡を使わない検査方法
・尿素呼気試験法
・抗体測定
・糞便中抗原測定
内視鏡を使う検査方法
内視鏡を使う検査は、使わない検査に比べて、手軽さに欠けるため少々ハードルが高いものになります。
・迅速ウレアーゼ試験
・鏡検法
・培養法
ピロリ菌検査は息でわかる尿素呼気試験がおすすめ【所要時間1時間弱】
今回、私が受けてみたのは非常に苦痛や体の負担が少なく(ほぼ皆無)で、かつ精度も高いとされる尿素呼気試験法と呼ばれる検査方法です。
尿素呼気試験法は、検査薬を飲んで、一定時間経った後に、吐いた息を採取・検査する方法です。ピロリ菌がいる場合は、ピロリ菌が出すウレアーゼという酵素により反応が起き、呼気に変化が起きることでピロリ菌の有無が分かります。
今回、私が受診した際の流れは以下の通りでした。
呼気の検査の前に医師の問診
病院を受診すると最初に医師からの問診を受けました。問診の内容は、家族のピロリ菌や胃がんの既往歴や、胃のコンディションに影響する飲酒習慣等の簡単なものです。
家族の既往歴はすぐにわからないこともあると思いますので、前もって確認してみると良いと思います。
<問診の内容>
・今朝は食事をしたか
・家族でピロリ菌に感染したいた人はいるか
・家族で胃がんになった人はいるか
・飲酒習慣について(量や頻度)
・飲酒時に顔が赤くなるか
・胃の内視鏡検査をやったことがあるか
薬を飲んで息(呼気)の採取
医師の問診が終わるとさっそく検査をうけることになりました。検査の手順は以下の通りで非常に簡単なものです。
<検査の手順>
①息を吐いて検査キットの袋に貯めて提出
②薬を飲む
③5分間、横になって安静にする
④15分間、座って待機
⑤息を吐いて検査キットの袋に貯めて提出
①息を吐いて検査キットの袋に貯めて提出
薬を飲む前の普通の状態の息(呼気)を採取します。息を採取するときは、鼻から息を吸って5~10秒息を止めた後に、息を吐いて採取します。
②薬をのむ
検査薬は小さくて白い錠剤で、小さい紙コップ1杯の水で飲みます。
③5分間、横になって安静にする
検査薬を飲んだ後は、体の左側を下にして5分間横になって安静にします。
④15分間、座って待機
5分間寝た後は診察室から出され、待合室で座って15分間待機します。
⑤息を吐いて検査キットの袋に貯めて提出
15分経過後に再び診察室に呼ばれて、検査キットの袋に息を吐いて採取します。
検査を通じて痛みや苦痛は全くありませんでした。
尿素呼気試験の所要時間
所要時間は問診から検査終了まで、1時間弱でした。
受診する機関の混雑状況にもよると思いますが、非常に短時間で終わりますね。
ピロリ菌の検査費用はいくら?保険適用有無により料金は変わる【今回は自費で7,000円】

今回の検査では内視鏡検査を受けずにピロリ菌の検査だけを行いました。その場合、保険適用はできずすべて自己負担となり、料金は7000円(税抜)でした。
ピロリ菌検査やピロリ菌除菌治療は、症状などにより保険適用の可否がわかれます。健康保険が適用できれば自己負担が1割~3割で、検査・治療を受けることができます。
ピロリ菌検査の保険適用と自費治療
ピロリ菌検査で健康保険の適用が認められるのは、内視鏡(胃カメラ)で検査をしたのちに、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが見つかり、それに伴ってピロリ菌を検査する場合です。
一方で、内視鏡検査を受けずにピロリ菌検査だけを行う場合は、保険適用外の全額自費治療になります。
<保険適用の検査>
内視鏡検査で異常が見つかったのちにピロリ菌検査を行う場合
<保険適用外(自費治療)>
内視鏡検査を受けずにピロリ菌検査だけを行う場合
ピロリ菌除菌治療の保険適用と自費治療
検査をした後にピロリ菌が見つかった場合には、ピロリ菌の除菌治療を受けることが推奨されています。ピロリ菌は感染しているからと言って必ずしも症状があるわけではなく、すべての除菌治療が保険適用になるわけではありません。
<保険適用の除菌治療>
・内視鏡検査または造影検査において、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
・胃MALTリンパ腫の患者
・特発性血小板減少性紫斑病の患者
・早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者
・内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者
<保険適用なし>
上記以外の場合
検査結果がでるまでの期間と日数は?
私が受診した消化器内科では、検査結果がでるまで1週間とのことでした。
検査結果は、再度病院に行くように指示を受けましたので、次回の予約をして帰りました。
【ピロリ菌検査】尿素呼気試験の当日は食事・朝ごはんは抜いて空腹で
ピロリ菌の検査を受ける際に、前日の深夜以降は食事を抜いていくように言われました。検査が午後の場合は、昼食を抜けば問題ないそうですが、受診をする医療機関に確認しましょう。
<午前中の検査>
前日の夕食以降は食べない。水はOK。
<午後の検査>
朝食以降は食べない。水はOK。
まとめ ピロリ菌の検査方法と体験談 | 検査費用は自費?保険?
ピロリ菌は胃がんなどの重大な健康リスクになる一方で、手軽な検査で感染の有無がわかり、治療も比較的簡単です。
すでに症状のある方や、特に自己症状のない方も一度検査を受診してみると良いでしょう。
















